関節リセットストレッチ ターゲットは筋肉と筋膜と関節 Vol.8 アキレス腱の違和感

■ええかげんにせーよ!その①

今回はアキレス腱のコンディショニングについてです。

 

アキレス腱は、私が経験した怪我の中では、椎間板ヘルニアからのギックリ腰に続いて回数が多く、症状も深刻な怪我の1つです。

私の怪我は、アキレス腱の断裂ではなく、腱及び腱周囲の炎症でした。

「もう少しでも体重を掛けたら切れるのではないか?」という痛みと腫れで、アキレス腱にもう1つの心臓が出来たかのようなドクンドクンと脈打つ感覚があります。

その個所は、何度も繰り返し傷めてしまったため、やや肥大化し、その腱に繋がる筋も、他の隣り合う筋肉よりも何倍も早く疲労し、早く固まる性質に変性してしまいました。

 

なぜそんな怪我をして、なぜそんなに何回も同じ怪我を繰り返したか?ですが、理由は2つあります。

1つは、私が、自分で自分の身体を何度も破壊できるぐらい、無知で、どMでどSだったから。

もう1つは、誰も本当に有効な治し方と、再発防止策を教えてくれなかったからです。

 

私は本当に怪我が多い身体でしたので、いろんな整形外科や、マッサージ、整体、カイロに行きました。

整形外科に行けば、痛み止めと湿布と、超音波を10分ぐらい当てて2週間ぐらいは安静にしてください、で終わりです。

2度3度と同じ怪我を繰り返していたので、「どうやれば再発しないように予防できますか?」と、その都度医者に聞いたのですが「しっかりアキレス腱のストレッチをしてください」という回答は変わりませんでした。

「なぜか?」 私の足首は一般の人より固く、アキレス腱が伸びるより前に、足首の付け根が詰まってしまうからです。

私が接した医者は一般論を話していたのでしょう。しかし一般論が通じない身体もあります。

2度と同じ怪我を繰り返したくないという思いや、また全力でスポーツがしたい、という気持ちは誰よりも強く、本当に心からどうにかしたいと思っていた私に対し、単なる1人の患者で、その患者にだけ特別時間を割き、解決方法を考えるなんて、非効率的で面倒くさい、と思われていたのでしょうか?

或いは、治し方なんて分かっていなかったのでしょうか?

 

医者に限らずトレーナーも同じで、何十年に渡って、どれだけ多くの人を診ていたとしても、暗記した知識の範囲内でしか物事を考えないのなら、ほとんど成長はないと言っても過言ではありません。

故に特例には誤魔化すだけで対応できないでしょう。

そんな医者はいないと思いますよー。いないと思いますけど、肩書だけ立派で、経験だけ長く、プライドと自己顕示欲が強くて、分からないことを分かりませんと言えないような医者がいるとしたら「ええかげんにせーよ」と言いたいのです。

 

そう言われたので、下のようなストレッチを行い、膝を伸ばした状態と曲げた状態で、腓腹筋とヒラメ筋の両方にアプローチしていました。

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後ろの方の足のつま先の方向も、内側に向けた状態と、外側に向けた状態で行い、それ以上のヴァリエーションは他に無いだろうというぐらい、いろんなアキレス腱のストレッチを入念に行いました。

しかしその後も、何度となくアキレス腱は炎症を起こしました。

因みにアキレス腱の炎症には、応急処置的に踵を高くすると、松葉づえ無しで、日常生活ぐらいは送れます。

踵の角度が鈍角になることで、アキレス腱の圧迫具合が軽減されるからです。

ただ、これで半日でも過ごすと、お尻の筋肉が固くなります。連動して腰も痛くなりますし、前腿にも負担が掛かっています。

 

だからこそ気付けたことは、常日頃からハイヒールを履いている女性は、アキレス腱、お尻、腰、膝に、痛みや違和感を抱える人が多くなる、ということです。

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ファッションで短時間なら良いのですが、長時間履いた場合は、必ずセルフケアをしてください。

 

 

■ええかげんにせーよ!その②

では治療院と称されるマッサージや整体やカイロではどうか?ですが、結論から言いますと「ええかげんにせーよ」です。

まず原因については整形外科よりも、それはそれはいろんな事を説明しようとしてくれます。

「ハムが固いせいですねぇ」「これは腰からきてますねぇ」「肩甲骨から連動して」「骨盤の左右差が」などなど、色んな理屈を聞かされました。

「理屈はどうでもいいから、治してくれよ」と言うのが、今の私の回答です。

治療院に通っている時に治るのは、自然治癒力なのか、施術のお陰なのか分からないなぁ、ぐらいの回復力です。

しかし同じ怪我を繰り返すことで「こりゃいくら施術を受けても根本的には治らないぞ」というのが分かりました。

このような経験から、私は1つの大きなミスを犯していたと気付き、1つの大きな疑念を抱くことになりました。

 

・大きなミス。大きな疑念。

私が犯していた大きなミスは、「自分の怪我なのに、他人に治してもらおうと思っていたこと」です。

動かなくなっている身体のある箇所を、最終的には自分で動かせるようにしたい訳です。

最初は他人の補助があったとしても、最終的には自分の脳からの指令で、思い通りに身体を動かせるようにしなければなりません。

人に動かしてもらって、はい、ラクになったでしょって、それ将来的にどうするの?って話です。

本当に治そうと思うのなら、最後は自分で治すという覚悟が必要不可欠なのです。その覚悟を私はしていませんでしたし、誰もそう言ってはくれませんでした。

そのことから同時に抱いた大きな疑念は、この人達は、自分達に依存させることを優先させて、本気で私の怪我を治そうとはしてくれていないのでは? ということです。

教えてもらったストレッチを、私は執念深くしましたし、月に1回は通えと言うので、欠かさず通っていましたが、その時も同じように怪我を繰り返していました。

乱立する治療院の数や、慢性的な痛みで悩む人の数、また待合室にいる人たちの覇気のない顔を見ていると、今まで教えられた事以外の何かを取り入れないと、治らないし、依存して無気力になっていくだけだなぁと、これまで以上の危機感を覚え、一般的な情報との一時的な決別を決意しました。

 

・アキレス腱に即効利くのは「ふくらはぎ」と「足の裏」

「こことここが連動していて、ここに歪みがあって、ここが固いから・・・」と理屈ばかりこねる人には、うっせーコノヤローと言いたくなります。

確かにアキレス腱以外にどこか悪いところがあって、それを放置していたから、結果としてアキレス腱に痛みが現れたのでしょう。

間違いではありませんが、最も関連性の高い悪い箇所は、間違いなくアキレス腱に直結している筋肉群なのです。

遠く離れた箇所をごちゃごちゃいじくるのは、痛みが引いてからでいいでしょう。

医者もトレーナーもセラピストも、自分の持っている知識をひけらかしたいおバカなお利口さんなのか、物事を複雑に説明する人が多いです。

シンプルかつ自分で治せる方法があればそれが一番でしょう。

自分に依存するお客様が減っちゃうからでしょうか? そんなことでビビってる人間は、絶対的にこの仕事に向いてないので、すぐに辞めていただきたいと思います。

 

 

私がアキレス腱のケアで、最も有効だと感じたコンディショニングは、ふくらはぎと、足の裏をほぐすことです。

まずふくらはぎ。ボールの上にリラックスした状態でふくらはぎを置き、前後、左右にゆっくりと動かして、痛む箇所を探します。

特別痛む箇所が見つかったら、そこにボールを当てた状態で止め、足首をゆっくりと慎重に動かします。

足先を前後、左右、回転を加えたりして、ボールでおさえている筋肉との連動性を感じます。

アキレス腱に違和感や炎症のある人は、ふくらはぎに弦のようにピンと張った筋肉の束を感じられると思います。

そのピンと張った筋肉をボールで押し当てて、横にずらすという、これまでになかった方向へのストレッチで筋の緊張を緩め、アキレス腱への負担を軽減させます。

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足の裏も筋肉のカタマリです。靴を履きっ放しでいると筋肉が締め付けられ、本来のクッション機能を果たせなくなってしまいます。

青竹やボールなどを用いてゴロゴロ転がし、足の裏全体をほぐします。

足裏の左右もしっかりほぐしてやるのがミソです。

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この2つのコンディショニングを丁寧に行った後、歩いてみると、足の感覚が全く違うご経験をされることと思います。

アキレス腱の痛み、違和感でお困りの方は、自分で治す覚悟を持ってトライしてください。

関節リセットストレッチ ターゲットは筋肉と筋膜と関節 Vol.7 3ヶ月の我慢!

■No Pain No Gain

今回こそご説明いたします。

慢性的な腰痛や肩凝り、膝の痛み、その他クセのついた身体を治すのに、最低でも3ヶ月ぐらいは必要だという話です。

その前に私の立ち位置をハッキリさせておきたいので、3つ言わせていただきます。

 

1.「治った」=「痛みがなくなった」ではありません。

「治った」=「組織が正常に機能し始めて、トレーニングに耐えうる準備が出来た」です。

痛み止めで感度を鈍らせることは、私にとっては悪手です。むしろ身体の声を聞くには、感度を極限まで高める必要があります。

痛みは症状の経過や状態を確認する上で、無くてはならない感覚です。

勿論、痛すぎてどうにもならない時や、ここ一番の勝負事がある時などは痛み止めも必要ですが、慢性的な痛みにおいては、痛み止めは排除していくべきです。

痛み止めの副作用については、また次回以降ご紹介いたします。

 

2.1に関連して、1回のマッサージや整体や気功で良くなった、奇跡の〇〇、みたいなテレビ番組を見るたびにウンザリしているのが正直なところです。

一時的に痛みを取り除く技術は必要ですし素晴らしいです。がしかし、それで治ったと勘違いさせてもいけませんし、してもいけません。

まあプラシーボ効果もあるので、信じたい人はトコトン、狂信的に信じてください。

 

3.1と2の流れから、慢性的な痛みに対して、「私が治してあげましょう」+「誰かに治してもらおう」は最悪の組み合わせです。

今の保険制度やメディアの在り方が、そういう依存体質の人を多く生み出してしまいました。

嫌われようが、収入が減ろうが、「自分で治す覚悟が無い限り、治りませんよ!」とハッキリいう施術者が増えること。

また、長い人生のたった3ヶ月だからと、覚悟を決めて、自分の身体に時間とお金を投資する人が増えること。

これが同時に進まなければ、現状は変わりません。

 

これまでのやり方を何十年続けてきても治っていないのです。

それをまだこの先も何十年と続けますか?

私が提唱するのは、依存体質に甘んじている双方の意識を変える、という抽象的なモノが軸にあり、伝えにくいし、理解もされにくいです。

それでも信じてくれて、挑む人には、これまでにない感覚や発見、身体の変化をもたらされると確信しています。

『No pain No gain(痛みなくして得られるモノ無し!)』の精神です。

私たちは幼い頃から、努力して得られるモノの達成感や満足感などを学んできたはずです。

それがいつの間にかラクをして利を得たいと思う人間に染められてしまいます。どちらの人生を選ぶかは個人の自由です。

私は、慢性的な痛みに関しては、ラクをしていては治らない!という立ち位置です。

何か目標に対して、試行錯誤しながら努力し続けること、今日よりも明日の自分が良くなっていると信じて生きること。

それを生き甲斐というのです。

 

動的平衡という考え方

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イラストAのネズミ。

生物は食べ物を口にすると、消化吸収し、代謝経路を辿って、一部をエネルギーとして使い、一部を呼吸や汗として体外に放出します。

その時排泄されるモノは、近々に食べた物の残りカス・・・というイメージを持っている人が多いと思います。

しかし実際は違います。より正確に表しているのはイラストBの方です。

 

エサに分子が発色する特殊なマーカーを組み込んで食べさせると、そのマーカーを持つ分子は、生物の体内で発見され、排泄物からはほとんど見つかりません。

つまり、口から入った食べ物は代謝経路を辿って一部はエネルギーとして使われ、呼吸や汗から排出されるのですが、一部は身体を作る材料として、足や背中や心臓や脳など、身体のあらゆる組織に組み込まれていく、ということです。

排泄されているのは、消化されなかった一部の食べ物と、体内で一定期間活動し、入れ替えの時期を迎えた古い細胞や傷んだ細胞なのです。

爪とか髪の毛だと、実際伸びてくるので理解しやすいと思いますが、心臓も肝臓も腎臓も、カッチカチの骨や歯も、分子レベルではもの凄い速度で破壊と合成が絶えず行われ、フレッシュな細胞への入れ替えが行われているのです。

 

日々の食事によって、細胞レベルでは24時間絶え間ない入れ替えが行われている動的な状態である一方、生命体の全体像としての形や機能はほとんど変わること無く存在し続けている、という状態を動的平衡と言います。

今日のあなたの身体を作っている材料と、3カ月後のあなたの身体を作っている材料は全く違うのです。

下の表は、その材料の入れ替わる速度についての研究結果です。

【身体の入れ替わる速度】(香川大学医学部麻酔科医の佐藤和子著:健康を支える栄養学より抜粋)

入れ替わりの早い成分 入れ替わりの遅い成分
1ヶ月で約40% 約1年
肝臓 1ヶ月で約96% 約1年
腎臓 1ヶ月で約90% 約1年
筋肉 1ヶ月で約60% 約200日
皮膚 1ヶ月
血液 4.5~5リットルの血液は、100~120日間で全て入れ替わります。
幼児期では1年半、成長期では2年未満、成人で2年半、70歳以上は約3年で入れ替わります。

 

もし日々の食事内容が、身体を作るのに不完全な栄養素であったとしたら、その後に出来ていく身体も不完全なものにしかなりません。

骨や血管が脆くなったり、ホルモンの分泌が異常になったり、免疫システムが正常に作用しなかったり、神経系や脳細胞の働きも、その生物が本来持つものではなくなるでしょう。

それを知らないと、慢性的なダルさや不調を原因不明の病状と診察され、薬を処方されてしまいます。

しかし薬を飲んだところで、元々が不完全な身体になっている訳ですから、そこにいくら有効とされる薬を放り込んでも、思うような効果は得られません。

まず見直すべきは食事なのです。

最近になってようやく、薬を処方しても効かない患者に対し、食事療法を行ったら症状が改善したという一部の医者の発見から、医者も栄養学に注目し始めました。

医学部の教育課程には栄養学がないため、病気にならないための食事療法なんてことは、ほとんどの医者は知らなかったのです。

 

原因がはっきりしない慢性的な痛みについても同様です。

個人の医者がその原因を突き詰めていることは稀です。医者の仕事は、とりあえず痛みを感じなくさせることです。

全てにおいてそうでしょう。熱が出ていれば解熱剤。頭痛の時は痛み止め。細菌やウィルスに感染すれば抗生物質。

悪くなったモノを取り除くことが仕事であり、悪くならない方法は誰も懇切丁寧には教えてくれません。

それがこれまでの医者の仕事だったのです。

 

慢性的に痛みが出ている組織は、本来の機能を失っています。

それは怪我からの回復時に、怪我を庇った動きや姿勢に合わせて細胞の入れ替えが進んでしまった結果です。

また長時間同じ姿勢をキープしていれば、慣れない時期は痛みやダルさを覚えるモノです。

それが日々続いていると、邪魔な痛みやダルさを感じさせないよう、徐々に組織の変性が進んでしまいます。

肩の巻き込みや猫背などはその最たるものです。最初は痛みを感じていたはずです。その痛み回避のために身体を徐々に変形させたのです。

慣れは決して良いモノばかりではありません。

徐々に悪くなっていた組織の機能を取り戻すのですから、絶対的に時間は必要なのです。

日々その機能を取り戻すエクササイズを積み重ねていくことで、細胞が新しく入れ替わっていく時に、少しずつ機能も取り戻されてきます。

機能が失われたままの状態で細胞が入れ替わっても、根本的な改善にはいたりません。

また、より早い回復を望むなら食事内容も考えなければなりませんが、その話はまたいつか。

関節リセットストレッチ ターゲットは筋肉と筋膜と関節 Vol.6  捻挫のクセを考える

■なぜ怪我がクセになる? 

結論から言いますと『治っていないのに治ったと思い込んで動かすから』です。

どこか怪我がクセになっているという人は、恐らく『治った』の認識が間違っているのでしょう。『痛みが無くなった』=『治った』ではありません。

『本来持っている最低限の機能を取り戻した』=『もう少しで治る』ぐらいの感覚です。

筋肉や靭帯は内部にあって確認できないので、目視できる肌に置き換えて説明します。

例えば、肌に切り傷を負ったとします。筋肉で言うと軽く切れた部分断裂です。

肌の場合、処置をして放っておけば、裂けていた箇所は徐々に修復され、カサブタの状態になります。

カサブタが出来れば、シャワーを浴びても沁みなくなりますし、軽く触れても痛くはないでしょう。

筋肉の部分断裂が起こった時も、内部では同じような現象が起きていると推測されます。

で、多くの人は、このカサブタが出来た状態を少し過ぎたところで、治ったと認識しているのです。

 

■本当の『治った』とは、どの辺りか?

肌の場合、その主な役割は外敵の侵入を防ぐことです。

カサブタであっても、とりあえず膜が張ればOKというところがありますし、自分でカサブタを剥がしてしまった場合、血が出れば「ヤバい!まだ早かった」と分かるから良いのです。

しかし筋肉は違います。しっかりとスムーズに伸びて縮みむこと。またその時、重さや速さ、突発的な負荷や捻りにも耐えられる強度と柔軟性が無ければなりません。

更に周りの筋肉と連動して、複雑な動きを担ったり、血流やリンパの流れを正常に保ったりもしなければなりません。

そして何より肌との大きな違いは、目で見て治った、と確認できないことでしょう。

 

○ではどこで治ったと判断するのか?と言いますと、私がバレーボールで内反捻挫をした時はザックリと5段階に分かれていました。

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1:破壊されてから組織が修復していく過程での痛み。

2:その修復の痛みが、イタ痒いとか、痒い、という感覚になる状態。

3:ゆっくりと慎重に、前後、左右、捻りなどを自分で加え、その動きを確かめる時に感じる痛み。

4:日常生活ではほぼ違和感が無くなる状態。

5:徐々に回数、重さ、スピード、柔軟性など、負荷をかけたトレーニングが出来るようになってくる状態。

この5段階目に入って、2回ほどトレーニングを行った辺りで、そろそろ治ったかなぁと思う感じでした。

 

1段階目から、後で紹介する捻挫に関連性の高い筋肉や筋膜はコンディショニングし、その部分での痛みの確認作業は常に行います。

その他、怪我直後のアイシングだけでなく、仕事の終わりなど、立ち仕事の後は一度アイシングをしました。

また出来るだけ血が足に溜まらないよう、5分でも横になれる時があれば、横になっていました。

 

ネットで紹介されている捻挫の対応に関して、私が正反対の事をした1つは『固定化』です。私はあえて固定化しませんでした。

どのような足の運び、角度、幅、速度、地面の状態だと、患部に痛みが出るのかを知りたかったからです。

そして器具を使わずに、自分の筋肉で固定することで、捻挫の時には、どの筋肉が余計に使われ、固くなるのかを知りたかったからです。

その時見つけた箇所を日々入念にコンディショニングしました。

実際傷めている患部ではなく、そこに関連性の高い筋肉や筋膜の機能を正常に戻すことで、固定化して安静にしているだけよりも断然回復が早まるし、足首の不安定感も早く無くなると私は確信しています。

逆に、怪我を治す過程で大切にし過ぎることが、2度3度と同じ怪我を繰り返す、クセの原因になっていると私は考えております。

 

腰痛のところでまた詳しくお話ししますが、今まで正しいとされていることをやってきて、「怪我ってクセになるよねぇ」と言うのが定説になっているのです。

でもクセにならない人もいます。その違いは何でしょうか?

それを考察して、誰かがこれまでの定説にNOを突きつけなければ、何も好転しません。私の主張なんて間違っていても良いと思っています。

他の誰かが同じように疑問を持ち、より正解に近い情報を発信してくれるようになれば、それで痛みや怪我に苦しむ人が減るのです。

 

■足首の不安定感、捻挫クセ改善にお勧めの筋膜リリース

今回のコンディショニングは、下のように、ボール2個をネットやストッキングで繋げたモノを使用した方が断然に効果が高まります。

ポールでは当たる面が広いのでポイントに入りませんし、ボール1個では不安定で、これまたポイントに当てにくくなります。

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まずは写真のような体勢で、ボールで脛を挟むように置き、ゆっくりと体重をかけて圧をあげます。

筋膜リリース

少し圧を掛けた状態で、脛に沿わせて前後に動かすのですが、恐らく多くの人がほとんど体重を掛けられないような痛みに襲われます。

その場合は、表面を撫でる程度でも構いませんので、痛すぎないように注意し、慎重に脛の両サイドにボールを走らせてください。20往復ぐらい。

弁慶の泣き所だから痛いのではなく、筋機能が低下しているから痛いのです。

脛部分は回復が早いので、1カ月もすれば痛く無くなります。

 

 

次に脛の膝に近い部分にボールを置き、やや外側に体重を乗せて圧を掛けます。

リラックス&深呼吸で30秒。終わったら今度は内側に体重を乗せ、圧を掛けます。同じく30秒。

この作業を、膝に近い位置からはじめ、少しずつ移動させながら足首の方までやっていきます。

押し当ててイタ気持ち良い状態で、足首をクルクルと回してみると、「おー、この筋肉が繋がってるんだぁ」と分かります。

また、その作業を行った方が、早く筋機能を取り戻せますので、余裕のある人はお試しください。

 

脛のサイドを攻める時は、下の写真のようなフォームに変えてやってみると、また違ったイタ気持ち良さが得られます。

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また脛の方だけでなく、ふくらはぎ側をほぐす事も重要です。

脛と同様に、足を挟むようにボールを置き、徐々に圧をあげて、イタ気持ち良い個所を探してください。

イタ気持ち良い箇所が見つかったら、そこで足首を慎重に回します。

その作業を足首の近くから膝裏まで、ご自身の身体の声を聞きながら行ってください。

 

これらのコンディショニングは、捻挫からの回復、捻挫クセだけでなく、ランナーのシンスプリント予防にも効果的です。

また、健康のため、毎日ウォーキングをしているという方も、恐らくこの部分の筋肉をケアせずに使い過ぎていて、触れば強烈な痛みを発すると思われます。

歩いたり、走ったりしているのに、足首の不安定感や、冷えや浮腫みを感じる人にも、是非とも試して欲しいコンディショニングの1つです。

前回、回復に3カ月掛かる理由を解説すると言っていたのですが、書けなかったので、次回こそご紹介させていただきます。

関節リセットストレッチ ターゲットは筋肉と筋膜と関節 Vol.5  膝の痛みに対応する④

■セルフコンディショニングの鉄則

これまで何度も繰り返しましたが、セルフコンディショニングの大原則は『身体との対話』です。

あなたは自分の両手の平をジッと見つめたことがありますか?

悔しくて拳を握りしめた経験。感情的になり、人やモノに当たってしまった経験。好きな人の手を握った経験。苦しかったり悲しかったりして頭を抱えた経験。

生まれてから死んでいくまで、その全ての瞬間瞬間で、いつもあなたに寄り添ってくれるのは、その両手の平だけでなく、あなたの身体の全て、細胞1つ1つ以外のナニモノでもないのです。

静かに自分を支え、寄り添ってくれている事への感謝と、その細胞が激しいSOS信号を出すまで放置していた事への謝罪の気持ちを持って身体との対話を進めていくことが、あなたが抱える多くの痛みを軽減させ、この先起こりうる怪我や病気のリスクを大幅に軽減させると断言できます。

 

■身体との対話を失った現代

科学や医療が発達していなかった時代、身体との対話など当然の事だったでしょう。

それがついこの数十年で、薬を飲めばどうにかなる、医者に掛かればどうにかなる、マッサージや整体に行けばどうにかなる、という社会になってしまいました。

日本の医療、保険、介護などの制度の全てを否定するつもりはありません。

しかし保険で、格安でお手軽に病気や怪我の診療が受けられるようになって、自分で学んだり努力したりする人が減ったことは事実です。

医療費負担を5割とか6割にすれば、努力をする人は必ず増えます。

そういうと国民の支持を得られないから、また国民も今を生きる自分の利益しか考えていないから、そんな身勝手な制度を何十年と続けてきたのです。

結果、今を生きる人たち、特に比率的には若い世代の負担と不安が増幅し、早急な制度改正を強いられています。

この先、どのような順序で医療費の負担が大きくなっていくかは分かりませんが、自分の努力次第でリスクを軽減できる生活習慣病などは、まずその筆頭に挙げられるかと思います。

膝や腰や肩の痛みについて、セルフコンディショニングの効果が認められるのも、どのぐらい先になるか分かりませんが、私たちが生まれるずっとずっとずっと前から行われていた『身体との対話』が強く謳われる時代がきっと来るでしょう。

 

■膝内側と股関節の痛みを軽減させる筋膜リリース

今回から膝の痛みシリーズのラスト。膝の内側の痛みについてです。

膝内側の痛みに直接的に関係しているのは、膝内側上部に付着している大内転筋と、下部に付着している薄筋の2つです。

しかし腿の付け根から大腿骨の内側に付着している内転筋群は、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、小内転筋など複数あり、間接的に膝の痛み、また直接的には股関節の痛みに関係しています。

膝の内側の痛みを軽減させる筋膜リリースを行う場合は、出来るだけその全ての筋肉と筋膜にアプローチしてやります。

 

■3段階で効かせる その①

3段階で効かせる①

・写真のようにうつ伏せになり、横にポールを置きます。

・片方の足を横に出してポールに乗せ、ゴロゴロと転がして筋膜リリースを行います。

・最低でも、腿の付け根、中央部、膝に近い位置の、3カ所に分けて行います。

 

■3段階で効かせる その②

3段階で効かせる②

・今度はポールに沿わせてゴロゴロ動かすのではなく、足をポールに押し当てて、身体全体を少しだけ下にずらします。

身体が下に動くので、当てている脚は上に動きます。

注意点としては、足に力を入れて押し当てるのではなく、足はリラックスした状態で、自分の体重を利用して押し当てる強度を調節します。

また身体を下にずらすときは肘でコントロールします。

・これも腿の付け根、中央部、膝に近い位置の3カ所でおこなうのですが、1段階目のゴロゴロで特別痛い箇所が見つけられた時は、その個所に押し当てて、ずらしてやると効果的です。

 

■3段階で効かせる その③

3段階で効かせる③

内腿で最も痛みを感じる個所は、恐らく膝に近い部分です。

段階①と②で、十分に痛い場合は、③まで進まなくて大丈夫です。

全てに共通して言えることは、痛過ぎはNG。イタ気持ち良い状態を自分で探ってください。

そして合言葉はリラックス&深呼吸です。

①②とやってみて、もう少し強度を高めて良さそうでしたら、今度は膝をほぼ伸ばした状態でポールに当て、転がすと同時に、股関節から脚を内側に回転させます。

格別に痛い箇所があった場合は、そこで押し当てたまま、膝をゆっくりと曲げ伸ばしします。

 

■痛みをどう捉えるか?

膝の痛みを軽減させる方法(膝が痛くならないための方法)について、膝の正面、外側、内側と分けて、4回に渡って書いてきました。この実践を初めてされた方は、どこかしら「痛いっ!」という個所があったと思います。

その時、「ヤバい、危なそうだから止めておこう」と思うか、「よっしゃー、痛い場所が見つかった。絶対痛く無くしてやるからなぁ」と日々コツコツ筋膜リリースを行うかで、その人の未来は大きく変わってきます。

最低3カ月。1回3分。出来れば1日2~3セット。長い人生のたった3カ月です。なぜ3カ月の期間が必要なのかは次回にご説明いたします。

 

■「治った」をどう理解するか?

触って見つかる痛みは、まだ自分で治せる段階です。

立ち上がる時に膝が痛い、階段を降りる時に痛い、長い時間歩いていると痛くなる。そうなってしまうと、とりあえず1回医者に行ってくださいという話になってしまいます(可能性としては低いですが、稀に骨とか血の病気である事もありますので)。

医者に行くと、特に何も見つからず、痛み止めと湿布で安静、或いはリハビリ、となる場合の方が圧倒的に多いでしょう。

確かにそれでも痛みはなくなります。ただ平常時の痛みを感じなくなっただけで、触って痛い部分はそのまま残っているのです。

それは治ったとは言いません。痛みを感じなくなっただけです。それでもほとんどの人が、平常時の痛みがなくなったから治ったと思い込み、また放置します。

で、また痛くなって、医者や整体やマッサージにかかるという悪循環。その魔のサイクルはドンドン短くなります。

根本的な改善策をとらない期間が長くなれば、筋肉や筋膜や骨や神経経路などの組織そのものが変形して、元の形状と機能に戻すまで、多大なる時間と労力が必要になります。

その業界の人達にしてみれば、良いお客様の誕生です。